生きることは食べること。

ひげぼうず

2007年07月03日 00:22

我が家では、よくいろんなものを獲ってきて食べます。

4月には潮干狩りで貝を採って食べるし、5月~6月はモズク採り。
夏場にはなんとか大きな魚をゲットしようと奮闘(でも腕が伴わず獲れない)。

そのほか、食べられると聞いた貝を獲って食べたり、漁に同行させてもらったり、ウニやサザエを採ったり。
カニアミでガサミを獲ったり、釣りにも挑戦したり。

よく考えてみると、食べられるというものを聞くととりあえず採って食べているみたいです。


節操がないと苦笑されそうですが、一応それなりの考えもあったりします。




『いただきます』という言葉があります。
この語源は諸説あるようですが、我が家では『食べ物(もとは生き物)の命を自分の命として頂く』という意味として子供に教えています。
子供にはどんなときでも必ず『いただきます』を言わせますし、我が家によその子が来たときにも必ず言わせます。
自分も家では必ず言いますし、外で言いにくいときは心の中で言っています。


いま、スーパーに行けば、たいていのものは手に入ります。
お金を払えば何でも買えるので、とっても便利です。(もちろんお金を稼ぐのは大変ですが)。
そこで売られているものの多くがキレイの加工され、包装され、調理されています。
しかし残念ながら、生き物だった痕跡が分からないものも少なくありません。

その食べ物がもともとどのような姿かたちをしていたのか。
それはどこに住んでいたのか、誰がどのような方法で捕まえたのか。

そういったことを、スーパーに並ぶ食べ物からうかがい知ることは難しいです。

それが悪いと言っているわけではありません。
食べやすい大きさや形に加工されている食品はとっても便利で日常生活でなくてはならないものです。
スーパーなどの食品店が無ければ我が家が暮らしていけないことは間違いないです。


しかし、便利すぎて、ともすると売られているものがもともと生き物だったということを忘れてしまう危険性を感じずにはいられません。

もちろん頭ではみんなわかっていると思います。
豚肉はもともと豚として生きており、魚の切り身だって、もとは一匹の魚として生きていたと。

それが数日前までどこかで生きており、誰かに捕まえられ、殺され、切りわけられてスーパーに並んでいると意識することがあるでしょうか。
正直なところ、私は忘れていました。
いや、そもそも考えてこなかったのかも。
こういうことは、自分の子供にいろいろと教えていく中で、物を食べるという意味というものを考え、そして意識するようになったことです。
そういった意味では子供に教えられたともいえます。
しかしそれでも、普段の生活の中では忘れていることが多いです。

だからこそ、時々は自分で捕まえて、採って、食べることが必要だと思ってます。


自分の手で捕まえ、殺し、調理し、食べる。
スーパーで買ってきたり、外で食べた方がはるかに簡単です。
うろこをとったり内臓取ったりの下処理とか、けっこう大変ですし。
内臓の処理とか、やっぱりちょっとキツい時もありますし。
でもあえてそれをすることで、自分は生き物を食べている実感をしたいのです。

そのようにしてできた食べ物には心から『いただきます』と言えるしありがたく食べることができます。
そういった食べ物は容易に残すことができません。
骨までしゃぶるようにして食べるのが礼儀だと思っています。
だから獲りすぎることもできないし、その環境を破壊してまで獲ろうとは絶対に思わない。
やむを得ず処分しなければならない場合は、心の中で『ゴメンなさい!』といいながら処分しています。

子供にもそういったこと見せることで、食べ物への感謝、さらには自然への感謝の気持ちを持ってもらいたいと思っています。
食べ物への感謝は自然への感謝へ、そしてあらゆるものへの感謝に繋がると思っています。



人は矛盾することばかり。
健康が気になるといいながら全然運動してなかったり。
自然の中で暮らしたいと思いながら、便利な生活を捨てる勇気が無かったり。
地球温暖化とか気になりながら、車での移動は欠かせなかったり。
そういった矛盾をすべて否定していったら、人間は生きていけなくなっちゃうでしょうね、多分。
だから、多少の矛盾はどうしようもないんじゃないかな、と思っています。
というか、勘弁してください、って感じです。

ただ、人が生きていく中で何らかの犠牲の上に成り立っているという事は忘れたくないです。
『いただきます』『ゴメンナサイ』『ありがとう』の気持ちを忘れずに。
みんながそういう気持ちを持っていれば、未来はもう少しよくなると思いたい。
きれいごとかもしれないけれど、偽善かも知れないけれど、そういった謙虚さ、感謝の気持ちが今の世の中一番必要なのかも、と思っています。



ということで、我が家では獲って食べています。
これからもいろいろ獲って食べると思います。

生きることは、他の生き物を殺して食べることで成り立っていることを実感する為に。
その業から、感謝の気持ちを忘れないように。
子供にもそのことをきちんと理解してもらう為に。





ちょっと思うところがあって、今回はマジメな話をしてみました。





っていうか、いい話のあとでなんですけど、獲って食うのは実は経済的な理由も大きかったり。
ただで手に入るってのは本当にありがたい!
この夏もいろいろ獲るぞ~!
食べるぞ~!
目指せ!自給自足生活!

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